volume 5
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宮室を描く心得の事
匠家(しゅうか)の流々其の秘する所有りて漫(みだり)に説事を
せざれば尺寸の相違をおそれて古人も
是を詳に描く事をせず 滴(たまたま)形を図
するといえども多く密画して俗眼を悦ば
しめ己が不知の妄を庇(おほ)ふ只臨本(りんほん)にすがり
て古人あやまりを我上に引きうけ後世の
譏(そしり)を思わざるの族(やから) 画を学ずして古人を
まなぶといふべし
二
両儀
三
日月星
四
四季
五
五行
七
七星
八
八課
九
九曜
この数を眼前の形其長短に引当て考る
ときは宮殿楼閣といへども画事安かるべし