Preface of Hokusai Manga volume 6

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繪にかける馬よなよな 出て草餅を喰ひ
絵にかける鹿よなよな出て おはぎをくひしと
いふハ実に馬鹿馬鹿しきためしなれど 其
妙を得るに至てハ 素人了簡の及ばさる所
にして そこが かの餅ハもちやの馬なるへし
こゝに戴斗翁の画における氣韻生動
骨法を得て 其眞を冩に及ては飴で餅
くふ うまミありて 一切萬物写家達の細密には
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摩詰李思訓も 天窓をかきもちなるへし されど
此漫画世に行ハれしより書肆のためるは
大福もち猶あたゝなる炉ひらきのそれハ ゐの子
祢の子の餅 ミつがひとつの それならで ミつを
ふたつの六編に至りて 予が序を乞ふ 古はれて
是を餅につきしが 口から出るまゝ 筆に
まかせて 餅好の酒きらいひ 下戸の食山人
文宝堂に志るす