Preface of Hokusai Manga volume 8

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戴斗翁初より畫癖あり唯食う唯画而已遂
にもて葛飾一風を興し画名世に高し
於茲其門に入て伎を学ふ者多し 翁これに
教て曰 画に師なし 唯真を□事をせは
自ら得へし 門人これを愁ふ 或人翁か言を聞て
翁を諌て曰 翁ハ葛飾一家の画祖素り 翁か
風を慕ふ徒ハこれか夫た羅ん事を欲す 然れハ
何を他に師を索むhえけん 離婁(りろう)の明公□四0の
巧も規矩を以てせされハ 方圓を成事能はす
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翁の門に遊ふの徒 翁の臨本を得されハ 葛飾
風たるを不得 何をこれを察せさるやと 翁
この言を爾りとし 山水人物鳥獣草木堂宇
器財に至るまて 閑ある毎に 寫し出し上木
し以て門人に授けく漸漸として 八編に達 これか
序辞を予に議る事 予画を知されは 画を論すること
能はす こゝにおいゐて此編の成る所以を記し以て序辞
に換こと爾り          絳山題